パニック障害から森田療法へ

30代の頃パニック障害で悩みました。森田療法にであって元気になって、今は森田療法の自助グループやってます

パニックの対処法

 森田療法自助グループ、生活の発見会の月刊誌に掲載された私の文章です。
パニックになった時にどう対処すれば良いのか、と言う質問に答えたものです。
未熟な文ですが、読んでみて下さいね。
集談会、と言うのは森田療法自助グループのことです。
 「パニック発作が起こった時に、ただじっと慣れようと耐えることは、難しい辛いことだと思います。そのものに成りきればいいのだと教えられますが、なかなかそこまで行くには勉強も体験も積まなければならないと思います。
気にしないようにしようと思えば思うほど気になってくるのは、人の習いです。
古い中国の言葉に、「己を知り、相手を知れば百戦危うからず」というのがあります
パニック障害に対処するために、まず自分がどういう人間であるのかを知ることが大切です。
 私のことになりますが、実は私も質問者様と同じ、30年前にパニック障害になりました。
その頃の私は自分のことを少々のことでは動じない、のんびりした人間だと思っておりましたので、最初にパニック発作が起きた時には自分はこんなことでビクビクする人間ではない、どこかがおかしくなってしまったんだと思い、病院に行きました。
お医者さんから、不安神経症ですねと言われて、安定剤を処方されましたが、薬で治る気がしなくて、その後、私もそのまま病院には行かなくなりました。
ちょうどその頃、幸いにも住んでいた地域に集談会があり、参加することができました。
 集談会で、皆さんの話を聞いたり自分の話をする中で、自分はこんなにも神経質な人間であったのかと気が付いたのです。
次に、相手を知るということですが、ひとつは、ご存知かと思いますが、感情の法則です、「感情は、そのままに放任し、またはその自然発動のままに従えば、その経過は山形の曲線をなし、ひと登りひと降りして、ついに消失するものである」つまり、強い恐怖感や不安感も頂点に達すれば、後はおさまってくるわけです、これは自分でさらに不安を掻き立てることをしなければということです。
 もう一つは、これはパニックであって重大な病変ではない、いずれおさまるものだ、死ぬことはないし、発狂もしないという事実です。
 このことをまずしっかり自分の認識として頭においてください。そうすれば、ひとつ安心材料ができます。
その上で、パニックが起こった時の対処方法ですね。具体的な方法をお知らせします。
当時、車にも乗れない、外出もままならない状況の私が、治りたい一心でバスに乗って発見会に通いました。その頃から私が1番役に立つと思っている対処法は、自分を観察するということです。
 例えば、電車の中で何とも言えない嫌な気分になって、心臓はバクバク、気分が遠のきそう、なんていう時にも、そうだこの体験を次の集談会で発表しよう、と考えます。
 そうすると、自分を客観視することができるからでしょうか、不思議と落ち着いてきます。でも、それだけでは足りない時には、その他にも、飴をなめる、電車の中を歩く、つり広告を読んでみるなど色々気をそらす術があります
 車でパニックを起こした時、というお問い合わせがありましたが、つり革広告もありませんし、歩き回ることもできません、何より自分が運転しているので、もしどうかなったらという恐怖がおおきいですよね。
 この時には大丈夫パニックで死なない、どうかなることもないと言い聞かせながら、我慢して前進するしかありません、休憩などはさんではいけません
歩いているときもほぼ同じだと思います。目的地に向かって歩くだけです。
 出かけるときには、症状をなくすことを目標にしないようにすることも大事です。
目的があって出かけるのですから、気分がどうあろうと、目的が果たせたらOkです。
こういった小さな成功を積み上げていくことで、少しずつ症状が和らいでくることと思います。
 そして、集談会などで人の話を聞いたり自分の話をすることが回復の1番の早道だと思います。その際に、会の役目を引き受けるとさらにいいですよ、これは先輩に教えられて私が実行したことです。
 どうぞ気長に、3歩進んで2歩下がるというくらいの気持ちで暮らしていってください。」